エムフェイスとヒアルロン酸の違い|どちらを先に受ける?併用する順番を医師が解説
「エムフェイス(EMFACE)とヒアルロン酸、両方気になっているけれど、どちらを先に受ければいい?」
「先にヒアルロン酸を入れたら、あとからエムフェイスはできない?」
「ヒアルロン酸で顔が膨らんだようになるのは避けたい」
診察では、このようなご相談をいただくことがあります。
先に結論をお伝えすると、エムフェイスとヒアルロン酸には、すべての方に共通する“正しい順番”があるわけではありません。
実際の診察でも、私は最初から「エムフェイスをしましょう」「ヒアルロン酸を入れましょう」と治療名だけで考えることはありません。
まず見るのは、
- こめかみや頬にボリュームロスがあるのか
- 頬の位置やフェイスラインがどう変化しているのか
- 骨格による支持が不足して見える部位があるのか
- 表情をつくったときに顔面筋がどのように動くのか
- 皮膚そのもののゆるみがどの程度あるのか
といった点です。
同じ「ほうれい線が気になる」「顔がたるんできた」というお悩みでも、実際に顔を診ると原因はかなり違います。
そのため、エムフェイスとヒアルロン酸の順番も、今のお顔で何が変化しているのかによって変わります。
一方で、両方が治療の選択肢になる方では、当院では先にエムフェイスを行い、その後の状態を確認してからヒアルロン酸の注入部位や量を決めることがあります。
なぜそのような順番を選ぶのかも含めて、詳しく解説します。
エムフェイスとヒアルロン酸は、そもそも役割が違います

エムフェイスとヒアルロン酸を「たるみ治療」という同じカテゴリーだけで比べてしまうと、どちらを選べばよいのか分かりにくくなります。
実際には、この2つは主にアプローチする対象が異なります。
エムフェイスは「筋肉+皮膚」にアプローチする治療
エムフェイス(EMFACE)は、HIFES®とRF(高周波)を組み合わせ、顔面筋と皮膚へ同時にアプローチする医療機器です。
専用のアプリケーターを顔に装着し、HIFES®によって対象となる顔面筋を反復して収縮させながら、RFによって組織を加温します。
美容医療には皮膚や皮下組織を対象とする機器が多数ありますが、エムフェイスでは筋肉への刺激が組み合わされている点が特徴です。
ここで患者さんにお伝えしたいのは、エムフェイスは「ヒアルロン酸を使わずに同じことをする治療」ではないということです。
例えば、こめかみが大きく痩せている場合や、中顔面のボリュームロスがはっきりしている場合、その“なくなったボリューム”をエムフェイスで物理的に補充することはできません。
一方で、「何かを入れて形をつくる」という治療とも異なります。
私は診察では、エムフェイスを単純な「リフトアップ機器」としてではなく、顔面筋や皮膚も含めて顔全体をどう整えるかを考える際の選択肢の一つとして位置づけています。
ヒアルロン酸は「足りなくなった支持やボリューム」を補う治療
一方、ヒアルロン酸注入は、必要な場所に製剤を注入し、ボリュームや輪郭、立体的な支持を調整する治療です。
患者さんから「ほうれい線にヒアルロン酸を入れたほうがいいですか?」と聞かれることがありますが、実際の診察では、ほうれい線だけを見るわけではありません。
例えば、
「こめかみが痩せて輪郭の連続性が失われていないか」
「頬の前方や外側のボリュームはどうか」
「鼻翼基部周囲の骨格的な支持はどうか」
「口横からフェイスラインにかけて、どこで輪郭が崩れて見えるのか」
「顎や下顎縁とのバランスはどうか」
など、正面だけでなく斜めや横からも確認します。
場合によっては、患者さんが「ほうれい線」と認識している部分そのものに多量のヒアルロン酸を入れるよりも、周囲を含めて顔全体のバランスを考えたほうがよいこともあります。
そのため当院では、ヒアルロン酸についても“何本入れるか”から考えるのではなく、どの部位に、何の目的で、どの程度補うのかを先に考えます。

私が「エムフェイスを先に」と提案することがある理由
では、エムフェイスとヒアルロン酸の両方が候補になる場合、なぜエムフェイスを先に行うことがあるのでしょうか。
理由は、エムフェイスによる変化を見たうえで、ヒアルロン酸で補う場所を改めて判断できるからです。
例えば診察で、
「最近、頬が下がってほうれい線が目立ってきた」
「以前より輪郭が四角く、重く見える」
「でもヒアルロン酸を何本も入れて顔が大きく見えるのは嫌」
と相談されたとします。
この場合、私は「ほうれい線がある=ヒアルロン酸」とは判断しません。
まず、こめかみや頬のボリュームロス、骨格、顔面筋の状態、皮膚のゆるみなどを一つずつ見ます。
その結果、明らかなボリューム不足だけでは説明できず、エムフェイスも治療の選択肢になると考えられる場合には、先にエムフェイスを行うことがあります。
そして治療経過を確認した時点で、改めて、
「ここはボリュームを補ったほうがよさそう」
「この部分は現状のままでよさそう」
「当初考えていた場所より、別の部位を少量調整したほうが全体のバランスがよさそう」
と注入計画を考え直します。
先に一つの治療を行い、その変化を確認することで、次の治療を“最初に立てた計画のまま自動的に追加する”のではなく、その時点の顔に合わせて再設計できるということです。
特に、「変化は欲しいけれど、ヒアルロン酸を入れすぎた印象にはしたくない」という方には、このように段階的に治療する方法をご説明することがあります。
「ヒアルロン酸で顔がパンパンになりませんか?」と心配な方へ
これは診察でも非常によく聞かれる質問です。
ヒアルロン酸を入れれば入れるほど若く見える、というものではありません。
ヒアルロン酸では、使用量だけではなく、注入する部位・層・製剤の性質・周囲とのバランスによって顔の見え方が変わります。
特に、もともとボリュームが十分にある場所へさらに追加したり、一つの凹みだけを見て繰り返し注入したりすると、患者さんが希望している方向とは異なる仕上がりになる可能性があります。
そのため私は診察で、「どこに入れたいですか?」だけではなく、どこが気になるのか、それをどの角度で見たときに感じるのか、どの程度の変化を希望しているのかまで確認します。
そして、必要がないと判断した場所には入れません。
ヒアルロン酸を避けることそのものが自然な仕上がりにつながるわけではなく、必要な場所に必要な量を使い、追加しなくてよい場所を見極めることがポイントだと考えています。
反対に、ヒアルロン酸を先に提案するケースもあります
ここまで読むと、「それなら全員エムフェイスから始めたほうがいいのでは?」と思われるかもしれません。
そうではありません。
診察した時点で、お悩みの中心が明らかなボリュームロスや骨格的な支持不足にあると考えられる場合には、ヒアルロン酸を先にご提案することがあります。
例えば、
- こめかみの凹みが目立つ
- 頬のボリュームロスが明らか
- 鼻翼基部周囲の支持不足が目立つ
- 顎やフェイスラインの形態を整えたい
- 「まずこの凹みを改善したい」など治療目標が明確
といった場合です。
このような変化は、顔面筋を刺激することだけでは補えません。
したがって、「エムフェイス→ヒアルロン酸」という順番そのものをルールにするのではなく、患者さんが気にしている変化の主因がどこにあるかを優先します。

エムフェイスとヒアルロン酸は同じ日にできますか?
「通院回数を減らしたいので、できれば同じ日に受けたい」というご相談もあります。
同日施術が可能かどうかは、治療する部位、ヒアルロン酸を注入する場所、既往歴、これまでに受けた治療などを踏まえて個別に判断します。
ただ、施術できることと、同じ日にすることが治療計画として適していることは別です。
先にエムフェイスを行う目的が「その後の顔を見てヒアルロン酸の設計を再評価すること」であれば、当然ながら同日に両方を終えてしまう必要はありません。
その場合は治療時期を分け、エムフェイスの経過を確認してからヒアルロン酸について改めて相談する方法をご案内します。
反対に、治療目的や部位が明確に分かれている場合などでは、別の計画になることもあります。
「同日にできるか」だけではなく、なぜ同日に行うのか、あるいはなぜ分けるのかまで含めて決めるようにしています。
すでにヒアルロン酸が入っていてもエムフェイスは受けられる?
すでに他院または当院でヒアルロン酸注入を受けている方からもよくご相談があります。
「エムフェイスをすると、入れたヒアルロン酸がなくなってしまいませんか?」と心配される方もいらっしゃいます。
この点について、「エムフェイスをするとヒアルロン酸が必ず早くなくなる」「まったく影響しない」と一律に断定することは適切ではありません。
実際には、ヒアルロン酸を注入した部位や深さ、使用製剤、注入からの期間、エムフェイスを行う部位などを確認して判断します。
そのため、すでにヒアルロン酸注入を受けている場合には、
- いつ注入したか
- どこに注入したか
- どの製剤を使用したか
- どの程度の量を使用したか
が分かれば、診察時にお知らせください。
他院での治療で製剤名などが分からない場合も、分かる範囲で構いません。
エムフェイスかヒアルロン酸か、診察ではここを見ています

「自分では、顔の何が原因なのか分からない」という方がほとんどです。
むしろ、ご自身で治療方法まで決めていただく必要はありません。
例えば「たるみが気になる」というご相談でも、私は正面だけでなく斜位・側面から顔を確認します。
さらに必要に応じて表情をつくっていただき、
- 安静時と表情時でどのように見え方が変わるか
- こめかみ・頬などのボリューム
- 中顔面から下顔面への連続性
- ほうれい線や口横の影がどこから生じて見えるか
- 顎・下顎縁を含む輪郭
- 顔面筋の動き
などを見ながら治療候補を絞っていきます。
同じ年齢、同じ「たるみ」という訴えでも、必要な治療が同じとは限りません。
場合によってはエムフェイスでもヒアルロン酸でもなく、ボトックスなど別の治療のほうが目的に合うこともありますし、治療を追加せず経過を見ることもあります。
当院でエムフェイスを行う際に確認していること

エムフェイスはアプリケーターを装着して行う治療ですが、私は「同じ位置に貼れば、すべての方で同じ治療になる」とは考えていません。
骨格や筋肉の位置、顔の大きさには個人差があるため、施術前に顔貌と解剖学的な位置関係を確認します。
当院では診察と触診を基本とし、必要と判断した場合には超音波(エコー)を補助的に使用して筋肉や周囲組織の位置関係を確認することもあります。
なお、エコーを使用すること自体でエムフェイスの効果が高くなるという意味ではありません。あくまで、その方の解剖学的な位置関係を把握するための補助として使用しています。
また、エムフェイスだけですべての加齢変化を治療しようとは考えていません。
ボリュームを補う必要があればヒアルロン酸、表情筋の過剰な動きを調整する必要があればボトックスなど、それぞれが得意とする役割を分けて考えています。
エムフェイスとヒアルロン酸、結局どちらを先にすればいい?
ここまでをまとめると、次のように考えると分かりやすいと思います。
エムフェイスとヒアルロン酸の両方が候補になる場合
→ エムフェイスを先に行い、その経過を見てからヒアルロン酸の注入部位や量を再評価することがあります。
明らかなボリュームロスや形態的な支持不足が主な問題の場合
→ ヒアルロン酸を先に提案することがあります。
すでにヒアルロン酸が入っている場合
→ 注入部位・製剤・注入時期・エムフェイスを行う場所などを確認して個別に判断します。
つまり、最初に決めるべきなのは、
「エムフェイスかヒアルロン酸か」ではなく、「今の顔のどこを、なぜ治療するのか」
です。
治療名から逆算して顔を見るのではなく、お顔を診察してから治療方法を選ぶ。
当院ではこの順番で治療計画を考えています。
名古屋・千種区でエムフェイスやヒアルロン酸をご検討の方へ
当院は名古屋市千種区にある完全予約制のクリニックです。
カウンセリングから施術まで医師が担当し、エムフェイス、ヒアルロン酸、ボトックスなどの中から、現在のお悩みとお顔の状態を確認したうえで治療方法を検討しています。
「たるみは気になるけれど、何の治療を選べばよいか分からない」
「ヒアルロン酸を入れるべきなのか迷っている」
「エムフェイスとヒアルロン酸を両方するなら、どちらを先にすればよいか相談したい」
という段階でご相談いただいても構いません。
施術名を決めてから受診していただく必要はありません。
診察した結果、別の治療をご提案することもあれば、現在は治療を追加しなくてもよいとお伝えする場合もあります。
まずは現在のお顔で何が起きているのかを確認し、ご希望と照らし合わせながら治療計画を考えていきます。
エムフェイスとヒアルロン酸に関するよくあるご質問
Q1. エムフェイスとヒアルロン酸は、結局どちらを先にするのがおすすめですか?
すべての方で同じではありません。
両方が治療候補になる場合、当院ではエムフェイスを先に行い、その後のお顔を確認してからヒアルロン酸の注入計画を立てることがあります。
一方、こめかみや頬などの明らかなボリュームロス、輪郭形成など、ヒアルロン酸で補う目的が明確な場合には、ヒアルロン酸を先に提案することもあります。
Q2. エムフェイスを受ければ、ヒアルロン酸はいらなくなりますか?
エムフェイスとヒアルロン酸は役割が異なるため、「エムフェイスをすればヒアルロン酸が不要になる」とは一概に言えません。
エムフェイス後に顔全体を再評価した結果、当初想定していたヒアルロン酸の注入部位や治療計画が変わることはあります。
ただし、明らかなボリュームロスが残っている場合には、ヒアルロン酸が選択肢になります。
Q3. ヒアルロン酸を入れていると、エムフェイスで溶けてしまいますか?
「エムフェイスを受けるとヒアルロン酸が必ず溶ける」と一律に考える必要はありませんが、注入製剤、部位、深さ、注入時期、エムフェイスを行う場所などによって条件が異なります。
すでにヒアルロン酸注入を受けている方は、施術前に注入時期や製剤名などをお知らせください。
Q4. エムフェイスとヒアルロン酸は同じ日にできますか?
治療部位や治療内容によって個別に判断します。
ただし、「エムフェイス後の変化を確認してヒアルロン酸の注入計画を決めたい」という場合には、あえて施術日を分けます。
同日にできるかどうかだけでなく、治療を分けるメリットがあるかを含めて判断します。
Q5. ヒアルロン酸で顔がパンパンになるのが心配です。
ヒアルロン酸による見え方は、単純な注入本数だけで決まるものではありません。
どの部位に、どの製剤を、どの層へ、どの程度使用するかによって仕上がりは異なります。
当院では「気になる場所をすべて埋める」のではなく、正面・斜位・側面から顔全体を確認し、補う必要がある部位と、追加しないほうがよい部位を分けて考えます。
Q6. エムフェイスは何回受ける治療ですか?
治療回数は、使用するプロトコルやお顔の状態によって異なります。
また、治療後の変化には個人差があります。当院では施術前にお顔を診察したうえで治療計画をご説明します。
エムフェイスだけですべてのたるみやボリュームロスに対応できるわけではないため、治療回数だけでなく、そもそもお悩みに対して適応があるかを確認します。
Q7. エムフェイスかヒアルロン酸か決めていなくても相談できますか?
はい。
「何となく顔が疲れて見える」「以前より輪郭が変わった気がする」など、ご自身では原因を特定できない状態で受診される方もいらっしゃいます。
治療方法を先に決めるのではなく、お悩みの部位と顔全体を診察してから治療候補をご説明します。
自由診療・リスク等について
本記事で紹介しているエムフェイス、ヒアルロン酸注入等は、公的医療保険が適用されない自由診療です。
エムフェイス(EMFACE)
治療内容
HIFES®とRF(高周波)を用いて、顔面筋および皮膚等へアプローチする治療です。
費用
・EMFACE:1回 79,000円〜前後(モニター料金あり)
主なリスク・副作用
施術中の熱感、筋収縮に伴う不快感、施術後の赤み、熱感、筋肉痛、圧痛等が生じる可能性があります。症状や程度には個人差があります。
ヒアルロン酸注入
治療内容
ヒアルロン酸製剤を皮下・深部組織等の必要な部位へ注入し、凹み、ボリューム、輪郭等を調整する治療です。
費用
本数により変動 1本 70,000円〜前後(モニター料金あり)
主なリスク・副作用
疼痛、腫脹、赤み、内出血、左右差、凹凸、硬結、感染、アレルギー反応等が生じる可能性があります。
まれではありますが、血管内への誤注入や血管圧迫等による血流障害、皮膚壊死、視覚障害等の重篤な合併症が報告されています。
使用する製剤について国内未承認製剤、または承認された使用目的・方法とは異なる使用を行う場合には、対象となる製剤に合わせて、未承認医薬品等に関する必要事項を記載します。
*
当院で使用するヒアルロン酸製剤は、厚生労働省の認可を受けたジュビダームビスタシリーズを使用しています。
主にボルベラ、ボリフト、ボリューマ、ボラックスなどを、部位や目的に応じて使い分けます。
当院で使用するボツリヌストキシン製剤は、厚生労働省の認可を受けたアラガン社製品の国内正規品(並行輸入品ではない)を使用しています。表情じわ、フェイスライン、エラ、肩、脇汗など、症状やご希望に応じて医師が適応を判断します。
EMFACE(エムフェイス)は、HIFES(高密度焦点電磁刺激)とRF(高周波)を組み合わせ、表情筋と皮膚・結合組織へ同時に働きかける医療機器です。当院では、国内認証を受けた医療機関専用機器を使用しています。諸外国においてはFDAの認可を受けています。EMFACEの入手経路については、国内正規販売代理店を通じて導入しています。
いずれの治療も自由診療であり、公的医療保険は適用されません。
治療効果や持続期間には個人差があり、すべての方に同じ結果を保証するものではありません。
施術の適応、使用する製剤・機器、治療部位、回数については、医師が診察のうえで判断します。
*

監修:KEEVA CLINIC 院長。美容注入治療を中心に、ヒアルロン酸・ボトックス・肌育治療・機器治療を組み合わせた自然な治療設計を行っています。診察では、骨格、脂肪、靱帯、表情、過去の治療歴を確認し、一人ひとりのお顔に合わせた治療提案を大切にしています。
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